Amazon広告運用の基本フロー
このページでは、Amazonスポンサープロダクト広告における日常的な運用改善の基本フローを解説します。
Flowgentでは、複雑な広告運用テクニックよりも、継続的に実行できる基本ルーティンを重視しています。
時間帯別の入札調整など、細かな運用施策も有効な場面はありますが、設定やメンテナンスに工数がかかる割に、ACOSや利益改善への影響が限定的なケースもあります。
まず優先すべきは、無駄な広告費を抑え、成果につながるターゲティングへ予算を寄せることです。
広告運用の基本作業は、大きく分けて以下の3つです。
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検索語句の除外設定
成果につながりにくい検索語句やASINを除外し、無駄な広告表示やクリックを抑えます。
Amazon広告では、成果につながらない検索語句にも継続的に広告費が発生するため、まず不要な広告費を抑制することが重要です。 - 成果が見込めるキーワードの追加
競合性が高く入札単価が上昇しているカテゴリーに対しては、Flowgentのキーワード分析機能を活用し、比較的クリック単価が低く、成果が見込めるキーワードを新たに抽出・追加します。 Flowgentのサイドメニュー内「キーワード分析機能」にアクセスして下さい。 -
入札単価の調整
キャンペーン、広告グループ、ターゲティング単位で入札単価を見直します。
目標ACOSや利益率に対して、広告費が過剰になっていないかを確認しながら調整します。Flowgentの「目標設定機能」は、AIへの目標値インプットのためだけでなく、基準の入札単価を算出するシミュレーターとしても活用できます。
ASINごとに、(利益を確保可能な)TACoS・ACOSとなるよう、目標の購入率やクリック単価を入力することで、広告運用における基準クリック単価(入札単価)を把握できます。
また、「キーワード分析機能」では、商品フェーズごとの推奨入札単価を表示しています。「目標設定機能」で算出された基準となるクリック単価と照らし合わせながら運用することで、感覚ではなく定量的な根拠に基づく広告運用が可能になります。
この基本フローを継続的に実施することで、無駄な広告費を抑えながら、利益改善につながる広告運用を行うことが可能です。
当ページでは、上記「1. 検索語句の除外設定」について解説します。
1.検索用語レポートの確認
キャンペーンマネージャーの各キャンペーン・グループのリンクをクリックし、左上に配置された「検索用語」をクリックします。「検索用語」のページではターゲティングキーワードごと、ターゲティングASINごとの広告運用のパフォーマンスが表示されています。
重要事項として、期間選択は選択できるだけの長い期間を選択するようにしてください。
CTRなどの比率系の数値は、インプレッションなどの分母となる数値が少ないと数値の精度が低いためです。
まず、作業前に最低限の以下の用語の内容と計算式を理解するようにしてください。
[用語説明]
■CTR(クリック率):インプレッションの中のクリックされた比率
CTR = クリック数 ÷ インプレッション数
■CVR(購入率):クリックされた中の購入に繋がった比率
CVR = 注文数 ÷ クリック数
■ACOS:広告経由売上の中で使用した広告費の比率 (数値が低いほどパフォーマンス良好)
ACOS = 広告費 ÷ 広告経由売上
例)広告費20万円÷広告経由売上100万円=ACOS20%
損益計算書と同様のイメージで成果を把握できるため、事業主・経営者はこちらの比率を常に意識し広告費が予算を超過しないようにコントロールするために必要な指標です。
Amazonの管理画面に表示されるACOSには、オーガニック経由の売上やクーポン・ポイントなどのプロモーション費用は含まれていません。そのため、広告全体のパフォーマンス評価については、Flowgentのダッシュボードに表示されているTACoSを基準に評価することを推奨します。
TACoS = (広告費+ポイント+クーポン) ÷ (広告経由売上+オーガニック売上)
FlowgentのTACoSは、Amazonの管理画面では把握しづらい、ポイント・クーポンを含めたプロモーション費用全体を、総売上に対する比率として表示しています。これにより、広告運用を含めた販促活動全体で、利益が確保できている状態かを一目で確認できます。
■ROAS:広告費1円あたりに得られた広告経由の額 (数値が高いほどパフォーマンス良好)
ROAS = 広告経由売上 ÷ 広告費
例) 広告経由売上100万円 ÷ 広告費20万円 = ROAS5.0(500%)
ROASはACOSの逆数となる指標です。
例えば、広告費1,000円に対して広告経由売上が4,000円だった場合、ROASは4.0(400%)となります。
ROASは、「広告費に対してどれだけ売上を回収できているか」を示す指標であり、数値が高いほど広告の費用対効果が高いと判断されます。
Google広告や楽天広告では、広告運用の成果指標としてROASが一般的に使用されています。
一方で、Flowgentは広告経由売上だけでなく、最終的な利益額を重視した運用を目的としたシステムです。
そのため、広告運用の調整ではACOSを確認しつつ、事業全体のパフォーマンス評価については、Flowgentのダッシュボードに表示されるTACoSを基準に判断することを推奨します。
除外キーワード・ASINの設定 (最重要)
この設定を継続的に行うことで、ACOSの改善が見込めます。
除外設定は、「購入につながりにくい検索語句やASIN」に対して広告を表示しないようにする設定です。
これにより、成果につながりにくい広告表示やクリックを抑制できます。
言い換えると、「成果につながりにくい露出を減らし、成果が見込める検索語句へ広告費を集中させる作業」です。
本ページでは、実際の広告運用で継続的に実施している基本的な除外設定の方法を解説します。
Amazonの広告管理画面の検索語句レポートでは、以下の指標を表示した状態で確認してください。
・インプレッション
・クリック数
・CTR(クリック率)
・広告費
・平均クリック単価
・注文
・売上
・ACOS
・コンバージョン率

※Amazon広告の管理画面では、表示項目設定が頻繁にリセットされる場合があります。
必要な指標が外れている場合は、再度チェックを入れて表示してください。
まず、ターゲットユーザー視点でターゲティングキーワードと商品を主観的に観て、自社商品と関連性のないターゲットを確認します。
自社商品の「ターゲットユーザーの価値観の明確化」が曖昧な状態では、売上に繋がらない検索語句の除外設定の精度が低下しやすくなります。
ターゲット設定が未整理の場合は、先に以下のページをご確認ください。
例)
「価格よりも素材や耐久性を重視するビジネスバッグ」を販売している場合、「ビジネスバッグ 安い」という検索語句は除外候補となります。
「安いビジネスバッグ」を探しているユーザーに対して、高価格帯の商品広告を表示しても、「求めている商品と違う」と判断され、商品ページから離脱される可能性が高いためです。
このように、除外設定では「どのユーザーを集客しないか」を明確にすることが重要です。
ターゲット設定が曖昧な状態では、除外設定の判断精度も低下しやすくなります。
定期的にターゲットユーザーの価値観や購買基準を見直しながら運用することを推奨します。
また、このようなターゲットユーザー視点の価値観ベースの除外判断は、2026年時点でも広告自動運用システムによる完全な自動化が難しい領域です。自社商品のベネフィットやターゲットユーザーを深く理解しているからこそ行える、重要な運用判断の一つと言えます。
除外設定の2つの視点

①ターゲットユーザー視点で、関連性の低いキーワード・ASINを除外
「検索用語レポート」に表示される検索語句を確認し、自社商品のターゲットユーザーと関連性が低い除外候補を整理します。
特に、ターゲットユーザーの価値観や購買目的とズレている検索語句は、クリックされてもCVRが低下しやすく、広告費の無駄につながる傾向があります。
ただし、関連性が低く見える検索語句でも、新規顧客獲得やオーガニック流入への波及につながるケースがあるため、「主観的な判断」だけでなく、CVR・売上・ACOSなどの「実績値」も確認しながら総合的に判断してください。
② 関連性が高くても、利益改善につながらないキーワード・ASINを除外
自社商品との関連性が高いキーワード・ASINであっても、継続的に成果が伸びない場合は、除外または入札額の引き下げを検討します。
特に、商品ページ改善やその他のCVR改善施策を行った後も成果改善が見られない場合は、広告費の配分を見直すことが重要です。
具体的には、CVRや利益率の低いターゲティングへの配信を抑制し、その分の広告費を「CVRや利益率の高いキーワード・ASIN」へ再配分します。Amazon広告では、「注文が発生しているか」だけでなく、「広告費全体で利益が残っているか」という視点で判断する必要があります。
そのため、一部のキーワード単体ではなく、アカウント全体の利益改善につながっているかを基準に、ターゲティングごとの改善判断を行うことが重要です。
また、パフォーマンス判断はACOSだけで行うのではなく、以下の指標を横断的に確認してください。
・インプレッション
・CTR
・CVR
・ACOS
・TACoS
・クリック単価(CPC)
Flowgentでは、これらの指標を一覧で確認しながら、利益ベースでターゲティングごとの改善判断を行うことが可能です。

※ 当機能についても、AIによる改善提案・レポート生成・半自動化機能の強化を順次アップデート予定です。
作業の実践内容
ここでは、Amazonの広告管理画面の「検索用語レポート」を確認しながら、除外設定を行う手順を説明します。
① 関連性の低い検索語句・ASINを除外する

「検索用語レポート」ページで、検索語句やASINごとの実績を確認します。自社商品と関連性が低い検索語句やASINが見つかった場合は、アクションメニューから除外設定を行います。
キーワードを除外する場合は、「完全一致除外」と「除外フレーズ」の使い分けに注意してください。
[完全一致除外]は、特定の検索語句だけを除外したい場合に使用します。
[除外フレーズ]は、指定した語句を含む検索語句を広く除外したい場合に使用します。例えば、ビジネスバッグの広告で「リュック」という語句自体が自社商品と関連しない場合は、「リュック」を除外フレーズで設定することで、「リュック」を含む複合キーワードをまとめて除外できます。
2語以上のキーワードを除外フレーズで設定すると、意図せず関連性の高いキーワードも含めて広い範囲の検索語句が除外される場合があります。 そのリスクを回避するため、2語以上のキーワードは、基本的に完全一致除外を優先してください。
② 関連性はあるが、成果が低い検索語句・ASINを確認する
次に、自社商品との関連性はあるものの、成果が継続的に低い検索語句やASINを確認します。
まず、検索用語レポートで 「クリック数」の文字をクリックし、クリックが多い順に並び替えます。
目安として、「クリック数が一定数あるにもかかわらず、CVRが低い検索語句やASINを確認」してください。

ただし、CVRだけで判断しないでください。以下の指標をあわせて確認します。
・インプレッション
・クリック数
・CTR
・CVR
・ACOS/ROAS
※最も重視すべきなのはCVRです。
商品ページ改善やCVR改善施策を行っても成果が改善しない場合は、入札額の引き下げ、配信停止、除外設定を検討します。
なお、この判断は広告投資の目的によって変わります。
Amazonでは、商品を閲覧・クリックしたユーザーに対して、関連商品のレコメンドや再表示が行われる場合があるため、直接的な購入だけでなく、認知や比較検討の接点として広告を活用する考え方もあります。
一方で、利益改善や広告費抑制を目的とする広告では、成果が低いターゲティングへの配信を抑制し、成果が高い検索語句やASINへ広告費を再配分することが重要です。
以上の2つの視点で除外設定を継続的に行うことで、広告費配分が最適化され、ACOS改善につながりやすくなります。
除外キーワードとネガティブターゲティングの違い
Amazon広告では、検索語句を対象に配信を停止する「除外キーワード」と、ASINやカテゴリなどを対象に配信を制御する「ネガティブターゲティング」があります。
例えば、「ビジネスバッグ 安い」のような特定の検索語句への広告表示を止めたい場合は、「除外キーワード」を使用します。
一方で、特定の商品カテゴリや競合ASINへの広告配信をまとめて制御したい場合は、「ネガティブターゲティング」を使用します。
また、同じターゲットユーザー向けの商品を同一キャンペーン内で管理すると、除外設定をまとめて管理しやすくなり、運用効率の改善につながります。これは、ターゲットユーザーが近い商品同士では、成果が見込めるキーワードや除外すべきキーワードも共通しやすいためです。
除外設定は、不定期ではなく、ルーティン業務として定期的に実施することを推奨します。
例えば、毎週火曜日の午前など、確認日時を固定しておくことで、確認漏れを防ぎやすくなります。
検索語句やASINの実績は継続的に変化するため、定期的に不要なターゲティングを整理し続けることが重要です。
除外設定は、新たな売上を直接作る施策ではありませんが、無駄な広告費を抑制し、利益改善につながりやすい基本作業の一つです。
Amazon広告では、成果につながりにくい検索語句にも継続的に広告費が発生するため、定例業務として継続的に実施することを推奨します。
ターゲティングキーワード・ASINの追加設定
除外設定を行った後は、CVR・ACOS・利益率などのパフォーマンスが良好なキーワードやASINを、新たなターゲティング候補として追加します。
なお、CTRが高いだけでは、パフォーマンスが良好とは判断できません。
CTRが高くてもCVRが低い場合は、クリック数だけが増加し、広告費効率が悪化するケースがあります。そのため、CTRだけでなく、CVR・ACOS・TACoS・利益率などをあわせて確認してください。
検索用語レポートでは、アクションメニューから「キーワードとして追加」を選択することで、ターゲティング追加を行うことが可能です。
入札単価の考え方
Amazonが表示する推奨入札単価は、市場全体の入札状況をもとに算出された参考値です。
そのため、推奨単価をそのまま使用するのではなく、自社商品の利益構造や目標利益率をもとに、適切な入札単価を判断することが重要です。
Flowgentの「キーワード分析機能」では、SEO強化フェーズとSEOが強化された後の利益重視フェーズの推奨CPCを表示します。( CVR等の実績に基づき算出された金額 )
また、新商品の販売初期は、SEO強化やレビュー獲得を目的として、比較的高めの入札単価を設定するケースがあります。
一方で、オーガニック比率が高まり、利益改善フェーズへ移行した後は、利益率を重視した入札単価へ調整する運用も重要です。
なお、Amazonの推奨入札単価より低いCPCでも、十分な広告露出や成果につながるケースがあります。
重要なのは、「市場相場」だけで判断するのではなく、自社商品の利益構造や商品フェーズに応じて、定量的に入札単価を判断することです。
追加ターゲティング設定後の商品ページ確認
パフォーマンスが良好なキーワードを新たにターゲティングへ追加した後は、商品ページ内にもそのキーワードが適切に含まれているかを確認してください。
特に、以下の項目は定期的に確認することを推奨します。
・商品タイトル
・箇条書き
・商品説明
・検索キーワード
・詳細編集ページ
また、除外設定を行ったキーワードが、商品ページや検索キーワード欄に残っていないかも確認してください。
広告運用で除外対象としているキーワードと、商品ページ内で強化しているキーワードに矛盾がある場合、広告運用方針と商品ページ訴求の一貫性が低下しやすくなります。
そのため、広告運用と商品ページ改善は分けて考えるのではなく、同じターゲットユーザーを前提に調整することが重要です。
このように、「検索用語」レポートを起点として、
・除外設定
・ターゲティング追加
・商品ページ改善
を継続的に行うことで、広告運用を整理しながら運用しやすくなります。

次のSTEP2では、Flowgentの目標設定機能を活用し、既存ターゲティングの入札単価を一括調整する「バルク操作」について説明します。